事件の概要
犯人は、通り名「フラット」こと、貴船歩由である。
貴船歩由は、木屋町の正体が「ザクロ」であることを事前に知っていた。
最終的な投票が名前と「通り名」に対して行われることを利用し、
木屋町を殺害後「ザクロ」に成り替わろうとした。
12:05頃、貴船が「娘のことを知っていますか?」と木屋町に言ったのはブラフ。竹下にあえて聞かせることで、復讐を行う父親を演じようとした。
また、「エミリー」という名前は女性を指しているわけではなく、木屋町の愛用する特注のネイルハンマーである「ワンショット」の愛称を指していた。木屋町は、自分のネイルハンマーを家族や恋人のように大切にしていた。
12:40頃、貴船はこの『エミリー』を「防音室」に置き、冷静さを欠いた木屋町を自らの武器である『ギロチンハンガー』で奇襲することを狙う。
しかし、木屋町は非常に冷静に攻撃をかわし、『エミリー』を手にして反撃を行った。
12:45頃、幸いだったのは、宝ヶ池が、竹下を殺すためにブレーカーを落としたことだった。木屋町の『エミリー』による反撃は、貴船の左腕にあたりアラームが鳴る。
また、同時に「資料庫」で、通り名「ウィッチ」こと宝ヶ池が、『眠り姫』を塗布した針を竹下に放ったことでアラームが鳴った。
暗転した一瞬の隙をつき、貴船は木屋町の元から逃げ、「倉庫」に隠れる。
12:50頃、「大広間」では、貴船を追う木屋町が竹下と遭遇する。竹下は「テイパー」を塗布した『霧隠れ』で殺害を狙うが、惨敗。肩に傷を負わせることしかできなかった。
木屋町は、そのまま貴船を追って「防音室」を通り、「キッチン」にいる貴船を見つける。
しかし、12:55頃、宝ヶ池の人格が「もう一人の自分」である通り名「ヴァイズ」に切り替わり、木屋町を襲った。宝ヶ池は木屋町の右腕を握りつぶし、胸部に打撃を与えて大量出血をさせた。
それでも木屋町は貴船を殺そうと迫るが、竹下のつけた傷口から、「テイパー」が身体中に回る。
13:00頃、貴船はその機会を活かし、動けなくなった木屋町を『ギロチンハンガー』で頭部を切り離す形で殺害した。
木屋町の通り名である「ザクロ」に自分が成り替わるために、木屋町の右手にグローブを着け、『ギロチンハンガー』を握らせる。
その後、13:10頃、『エミリー』と木屋町の頭部を「大広間」へと持っていき、
竹下の目の前で木屋町の頭部を殴打した。
宝ヶ池と竹下は、互いに自分が木屋町を殺害した可能性を有している。
その中で、貴船の行動の違和感に気付けるかどうかが課題となる。
真実までの流れ・ヒント
証拠品・秘密からの視点
追加調査証拠品①のグローブを調べると、「右手のグローブを外してみると、木屋町の右手には衣服と同様に多量の血が付着していた。」とある。グローブで覆われていたはずの右手に多量の血がついているのは、グローブが後から偽装のために着けられたためである。
追加調査証拠品③のネイルハンマーを調べると、「注意深く見ると、持ち手の部分に女性の顔のような小さな絵が彫られている。」とある。これが、エミリーを示唆するヒントとなる。
追加調査証拠品⑤の鋭利なワイヤーを調べると、「このワイヤーを扱うのは難しく、殺害に用いるためには、専門的な知識が必要だと考えられる。」とある。すなわち、もしワイヤーを使って殺害を行うことができるとすれば、専門的な知識を持っている「フラット」しかいないことが分かる。
木屋町亜貴の秘密を見ると、「1年前、戦闘で左腕を負傷してからは戦力から外れ、前線を退いた。現在では左腕の傷は完治し、元通りに動かせるようになった。」とある。左腕を負傷して、戦力から外れるというのは、彼の利き腕が左腕であることに他ならない。
宝ヶ池奈津からの視点
・木屋町の遺体の状況を見ると、別人格である「ヴァイズ」が無意識下で戦闘した相手が木屋町であることに気づく。
・もし、注意深くタイムラインを見ていたのであれば、利き手の違和感に気づくかもしれない。12:55頃の木屋町と「ヴァイズ」との戦闘では、木屋町が何か(『エミリー』)を振り上げていたが、それは利き手である左手だったはず。しかし、木屋町の遺体のグローブは右利きの物である。何ものかが、入れ替わりをしようとしていることへのヒントになる。
ちなみに、12:35頃に木屋町に遭遇した際、ドアノブも左手で握っていたはずである。
・杖に仕込み刀があることに気づくことができれば、竹下が「バブル」であることが明らかになる。この杖の違和感は宝ヶ池が気づいているはず。「追加調査」が竹下の杖になされれば、さらに明確になるはずだ。
竹下波瑠からの視点
・一撃で標的を粉砕する「ワンショット」のはずが、貴船は何度も木屋町の頭部を殴打していた。相当の使い手であれば、このような不慣れな行動はしないはずだ。
・貴船が一度、木屋町と戦闘していたことが分かれば、自分を襲った人物が宝ヶ池しかいないことがわかる。自分に打ってきた針には『眠り姫』が塗布されていたため、竹下からすると、宝ヶ池が「ウィッチ」であることが分かるだろう。
・12:25頃、貴船が右手を隠していたことを思い出せば、もしかするとグローブの証拠品との関連が見えるかもしれない。もしたどり着けたのであれば、貴船が「フラット」であることを導き出すヒントとなるはずだ。
・『エミリー』はここにいる。というセリフをどう受け取るのかが重要となる。五人目の人間がいるのではなく、『エミリー』が木屋町の持つネイルハンマーのことだと気付けるかが課題となる。それが分かれば、「ワンショット」の持ち主が「ザクロ」である木屋町であることがわかるだろう。
・12:50頃、「お前なんて武器無しでも殺せる」と木屋町が言っている。つまり、木屋町は元々武器を用いる殺し屋だと想定できる。「ヴァイズ」は武器を持たない殺し屋のため、「ウィッチ」が宝ヶ池であることが分かれば、「フラット」・「ザクロ」のいずれかに絞られるはずだ。
・「防音室」での戦闘を告げるアラームの後、「キッチン」でアラームが鳴っている。1度目の「防音室」のアラームは「ヴァイズ」である宝ヶ池、2度目の「キッチン」のアラームは「フラット」である貴船によるものだ。このアラームについての話が議論中に現れた場合、宝ヶ池が自分が殺害を行なっていないことに気づくかもしれない。
貴船歩由からの視点
・木屋町と宝ヶ池が戦闘したことが明らかであることから、貴船から見ると宝ヶ池は「ヴァイズ」であるように思われる。
・アラームから竹下と宝ヶ池がどこかで戦闘していたことがわかる。
よくある質問
Q. 竹下と会った時、なぜ木屋町は『エミリー』を持っていなかったの?
木屋町は至って冷静な男であることは、貴船と竹下は既に理解していることかと思います。木屋町は、倉庫での戦闘があった時点で貴船の力量を見極め、『ギロチンハンガー』が不意を突かなければ殺すことができる武器ではないことも理解していました。この後に「ミステリーゲーム」が待ち構えていることを知っている木屋町は、自身の武器がネイルハンマーだと知られてしまうことはリスクであると考え、『エミリー』を「防音室」に隠しています。素手であっても相当の戦力を持っている木屋町は、その段階では貴船を素手でも殺せる男と考えています。
おそらく、素手で貴船殺害を行うことに成功した場合には、木屋町は宝ヶ池の別人格である「ヴァイズ」を演じようとしていたのかもしれません。奇しくも、貴船と同じ戦略に行き着いていたのです。
「防音室」で貴船を見かけたときは、近くにいる宝ヶ池が倒れて意識を失っていました。さらに、周りに竹下がいないことから、念には念を入れて確実に殺害を図るために『エミリー』を再び手に取りましたが、周りに意識のある人間があらかじめいると気づいていた場合には『エミリー』を手に取らなかったでしょう。
エピローグ
3人の殺し屋は、その後どうなったのだろうか?
3人の殺し屋は、どうして殺しを行なっていたのだろうか?
「ゲーム」のその先で、全ての真実が明かされる。
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