ここは、「ターミナルステーション」。
自殺を決意したユーザーが、書き込みを行う匿名掲示板である。
人生に絶望した人間が、「人生の終着駅」としてメッセージを残す。
ここで頻繁に書き込みをしていた、5人の投稿者。
顔も本名も知らないはずの人間だが、互いに愛着を持つようになった。
そんな中、1人がある書き込みを残す。
「どうせ死ぬなら、みんな一緒がいいな。」
1人ぼっちで死ぬのは、怖い。
最後くらい、寂しい思いはしたくない。
そんなことを思ったのか、参加者は次々と集まった。
集合場所となったのは、京都にある大きな屋敷である。
匿名掲示板であることから、相手の顔も本名も分からない。
しかし、各自で自殺の道具と手段を用意し、屋敷へと向かう。
顔も知らない人間と会うのは不安ではあったが、
どうせこれから死ぬのだからと、心を開くことができた。
各々は、最後の時間で談笑し、そして自殺を遂行することを目指す。
「次会うときは、天国で。」そう言って別れた。
「人生の終着駅」は、この場所となるはずであった。
しかし、翌朝、参加者は生きて集まることとなる。
各々は、皆、自殺に失敗したと述べている。
参加者たちは、誰がこんなことをしたのかと他人を責めあう。
なぜ、自殺を妨害したのだろう。
きっと、何かしらの理由があるに違いない。
少なくとも、こんなわだかまりを残して命を絶つのは嫌だ。
「人生の終着駅」となるべき場所で、再び5人は話し出すことになる。
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