〜竹下波瑠の個人配布に戻る〜






プロフィール

竹下 波瑠(52)

職業:マジシャン

背が低く、見た目は優しげな初老の男性。いつも右手で杖をついて歩いている。その界隈では有名な、いわゆる技術志向のマジシャン。10年ほどのブランクの後、2年ほど前に現場に復帰した。つけられた名前は、「奇跡の右腕」。


あなたの情報



・あなたの通り名は「バブル」である。
 まるで、泡が消えるように痕跡を残さないことに由来する。
 杖に仕込んだ「霧隠れ」という仕込み刀で殺害する。

・杖をついているが、足腰に全くの問題はない。
 一方で、あなたの右手は精巧に作られた特注の義手である。

・相手の不意をついて殺害することができない場合には、
 麻酔薬の『テイパー』を用いて、
 相手の体の自由を奪ってから殺害する。



メインミッション

あなたが、最も達成すべき目標です。
サブミッションよりも優先して、達成を目指してください。



・あなたは、自分が事件の犯人であるか定かではありません。もし、犯人が自分であると考えるのであれば、自分と自分の「通り名」が最多得票にならないように行動してください。一方、他の人物が犯人であると考えるのであれば、その犯人と「通り名」を結びつけ、投票してください。

ー「ワシが殺した可能性もあるが、他の人物の犯行も想定しなければ。情報を照らし合わせれば、きっと真実に近づけるはずだ。」

サブミッション



可能な限り、多くのミッションを満たすように行動してください。メインミッションの達成ができなかった場合には、達成は全て無効となります。


・杖に、「霧隠れ」が仕込まれていることを気づかれないようにしてください。

ー「杖を注意深く見られてしまえば、気づかれてしまうかもしれない。
  そのため、別の証拠品に注意を誘導しなければならないようだな。」



・「通り名」に対応する人物を全て明らかにしてください。

ー「誰がどの「通り名」に対応するかを考えれば、
  自ずと答えは出てくるはずだ。」

・自分の「通り名」が相手にバレないように試みる。
ー「ゲームの性質上「通り名」さえバレなければ投票されることもない。
  自分の「通り名」は、可能な限りバレないように心がけよう。」






メインシナリオ


12:00「宝ヶ池奈津の解放」


「それでは、宝ヶ池奈津を解放します。」


アナウンスが鳴り響くと、どこかで何かが開く音がする。
どうやら、宝ヶ池は部屋を出て行ったようだ。

「おい、誰か外にいるのか?早く俺も外に出せ!」


野太い声の男が、怒鳴るように言った。
非常に短気な男だと感じた。


12:05「エミリー」


「あなた、私の娘のことは知っていますか?」

そう尋ねたのは、透き通るような声の男性だ。

野太い声の男は、それに応える。

「お前の娘?あはは、知らねえよ。

 まあ、俺が殺したのかもしれないけどな。はは、恨みっこなしだ。」

野太い声の男は、煽るように言う。

しばらく沈黙の時間が流れた後、

透き通るような声の男が、「エミリーは、ここにいますよ。」と一言だけ呟く。



すると、野太い声の男は明らかに動揺した。

エミリーとは誰のことだろう。



何やら意味もわからない問答だったが、
明らかに何かの意味を持つ会話のように感じた。

12:10「解放」




「それでは、竹下波瑠を解放します。」



アナウンスが鳴り響くと、上蓋が開き、光が差し込む。
突然の光がワシの目に差し込み、思わず目を閉じてしまう。
目が光に慣れてくると、自分は全ての壁が白塗りの部屋にいることを理解した。



周りを見渡すと、床には大きく4つのカプセルのような機械が設置されている。



そして、ワシのカプセルの中には、杖が入っていた。
杖を確認するが、間違いなく「霧隠れ」はこの中に仕込まれていた。
幸運だ。これで、武器を探す手間が省けるというものだ。




先ほどのスクリーンでは、「通り名」は5つ表示されていた。
しかし、カプセルの数を数えると、人数は4人しかいないように思われる。




一体、もう一人はどこにいるのだろうか。
ワシは、宝ヶ池が出ていったドアと、別の方角のドアを開けた。


12:15「薬品庫」




廊下に出て正面のドアを開くと、そこは「大広間」だった。

そのまま横切り、「薬品庫」へと向う。




棚には様々な薬品が、小瓶に詰められて並んでいた。
それらのラベルを確認すると、有用だと思われるものは、大きく二つだ。



一つは、ワシの使う麻酔薬『テイパー』。
もう一つは、猛毒の『眠り姫』だ。



まず、ワシは杖を左手に持ち替え、麻酔薬『テイパー』の小瓶を手に取る。
そして、小瓶の蓋を開け、薬品室のドアノブに塗った。


ドアノブを触った後に、なんらかの形で体内に入れば、
麻酔薬として機能するだろう。
死にはしないが、体の自由は奪えるはずだ。



次に、仕込み刀の「霧隠れ」を取り出し、
刃の部分に『テイパー』をたっぷり塗りつけた。
傷口から薬品が入れば、体の自由を奪えるはずだ。
また、これだけ塗れば、死に至る可能性もある。



仕込み刀に『テイパー』を塗り終えると、小瓶を置き、
左手に杖を持ったまま、『眠り姫』の入った小瓶を右手で取る。


すると、その瞬間、部屋のスピーカーからアラームが鳴り響いた。


「「薬品庫」で武器が同時所持されました!」

ワシがとっさに『眠り姫』を机の上に置くと、アラームは止まる。

なるほど、「霧隠れ」を仕込んだ杖と『眠り姫』を同時に持ったことで、
武器同時所持を告げるアラームが鳴ったのだ。



また、ワシは2つの薬品の容器を見ながら、あることに気づく。


「容器の形は同じじゃないか…これは使えるな…」


ワシは『テイパー』のラベルと『眠り姫』のラベルを入れ替えた。
『眠り姫』を使おうと手に取っても、それは『テイパー』だ。
麻痺はするものの、致命傷は避けられるだろう。

ワシは、そのまま『眠り姫』と『テイパー』を棚に戻した。
ラベルの見た目はほとんど同じだ。
よほど注視しない限りは判別できないだろう。




12:20「親指の爪」


「それでは、貴船歩由を解放します。」



3人目の人物が解放されたアナウンスが聞こえた。



すると、「薬品庫」のドアが開き、若い女性が中に入ってくる。
この人物が、宝ヶ池奈津だろう。


「ねえ、おじいさん。なんで私を見てるの?
 ジロジロ見られるのは好きじゃないんだけど。」



宝ヶ池は、イライラしたのか右手の親指を強く噛んだ。
おそらく、彼女の普段の癖のようなものだろう。


ドアノブには既に触れていることから、
爪を噛めば、おそらく体内に毒が摂取されるだろう。
死には至らないが、しばらく体は、麻痺するはずだ。



そうなれば、ゆっくりと殺すことができる。



「いやいや…気にしないでくれ。
 あんたがあまりにも綺麗なんで、見とれてしまったんだ。」

「そんなこといって媚びたって、殺すときは殺すけどね。」



「おお…こわいこわい…」



ワシは、そう言って立ち上がり、
右手に杖を持ち、倉庫に向かうことにした。



後ろから、宝ヶ池の視線を感じる。
彼女は、どうやら、ワシの右手を見ているようだが、気のせいかもしれない。


まあ、いいだろう。
もしこの女性の体内に『テイパー』が回るなら、
その時にとどめをさすこととしよう。


12:25「倉庫」


ワシが倉庫のドアを開けると、特に目を引くものが大きく二つあった。


一つは、特注のネイルハンマーのようなもの。
確か、名称は「ワンショット」。


手練れの者が使えば、1撃で標的を粉砕するという触れ込みの代物だ。
小さいながらも重量感があり、補修の跡が目立つ。

もう一つは、ダイヤモンドが散りばめられた鋭利なワイヤーのようなもの。
触れただけで皮膚が裂けそうだ。



ワシが棚を見回していると、ドアが開く音が聞こえた。男性の吐息だ。
この男は、貴船歩由に違いない。



ワシは、貴船が「ワンショット」を手に取ったのを目にした。
その時、貴船は、右手を隠そうとしていたようだった。


彼はそれだけを取り「倉庫」を出て、「防音室」へと向かうようだった。

12:30 「情報収集」




「それでは、木屋町亜貴を解放します。」



最後の人物の解放を告げるアナウンスがなる。

そういえば、ひとつ確かめておきたいことがあった。
それは、自分に関する情報がどこまで知られているかということだ。
ガレッドが殺されたということは、情報が漏れている可能性もある。



「マーダーゲーム」で殺害に成功しても、
自分の犯行だとバレてしまえば意味がない。
用心しておいて、損はないだろう。



ワシは「資料庫」で自分についての資料を探すことに決めた。




12:40「資料庫」


資料室には、様々な捜査資料が並んでいた。
ワシは、「バブル」と書かれたファイルを手に取った。


すると、その瞬間、照明が消えて暗闇に包まれた。
非常灯の明かりだけが部屋を照らす。

ブレーカーが落ちたのか…それとも、誰かが細工したのか…
どちらにせよ、面倒な状況になった。




12:45「油断」

とっさに警戒するが、それよりも相手の初動が早かった。
不意に後ろに気配がすると思えば、鋭い衝撃が、ワシの腕に走る。


「うっ…?」

思わず、口から声が漏れる。
おそらく右腕に何かを打ち込まれたようだ。



「「資料庫」で戦闘が開始されました!」



「「防音室」で戦闘が開始されました!」



戦闘の開始を告げる無機質なアラームが、連続で鳴り響く。
つまり、敵の武器がワシと接触したということだ。



そして、もう一つのアラームは、
他の誰かが、同じ時刻に戦闘を開始したことを示している。



照明がついた頃には、後ろに人影はいなかった。
ワシは右腕を確認すると、何の変哲も無い針が刺さっていた。
針の先端が変色していることから、何かが塗布されているように思われる。



ワシの右腕は義手だ。衝撃は伝わるが、毒など回るはずもない。
ただ、近くに落ちている小瓶を見て、ワシは言葉を失う。


それは、ワシがラベルを貼り替えた『テイパー』の小瓶だった。
つまり、中に入っているのは、即効性の猛毒『眠り姫』だ…
もし、これが義手ではない左腕に刺さっていれば、ワシは死んでいた。

ワシがラベルを貼り替えたことは、この者にすべてバレていた。
ワシは、完全に油断していた。相手の力量を低く身過ぎていたのだ。



後悔しても仕方がない。
とりあえず、その場を離れることにした。




12:50「木屋町との戦い」


ワシは資料庫を出ると、
一度、「大広間」に戻って態勢を立て直すことにした。

すると、そこにいたのは木屋町だった。
手には血が滲んでおり、息はとても荒くなっていた。



「おい、貴船はどこにいる?」



木屋町は、かなり疲弊しているようだった。
おそらく、誰かと戦闘があったのだろう。



「さあ、どこだろうね。ワシは知らないが。」



ワシは、少し煽るように言う。


「もし嘘だったら…
ジジイ、お前なんて武器無しでも殺せるからな。」

そういって、木屋町はワシに背を向けた。

その瞬間、ワシはあることを考えた。
木屋町は冷静さを欠いている。


殺害を行うには、今が好機ではないだろうか。
ワシは、杖から『霧隠れ』の刃を取り出し、
木屋町の首を狙って振りかぶる。



そして、木屋町の左手がドアノブに触れた瞬間、
『霧隠れ』を勢いよく振り下げた。



「「大広間」で戦闘が開始されました!」

『霧隠れ』の刃が木屋町の体に触れたため、戦闘を告げるアナウンスが鳴る。

しかし、『霧隠れ』は木屋町の右肩に、
かすり傷しか負わせることができなかった。



ワシが刃を外したのではない。
木屋町は『霧隠れ』の軌道を読んで体を逸らし、
左手で杖の部分を掴んだのだった。


ワシが杖を手元に戻そうとするが、
木屋町は力づくでその杖を奪い取った。



「次は、ないからな。」



彼は、先ほどとは打ってかわって冷静にそう言い、
ワシの杖を右手に持って、左手でドアノブを回すと、外に出ていった。
彼は、冷静さを欠く演技をしていたのだ。



ワシは、またしても相手の力量を見誤ったのだった。


しかし、これは不幸中の幸いといったところだろうか。
彼の傷口からは、『霧隠れ』に塗った「テイパー」が
十分すぎるほど体内に入ったはずだ。



あれだけ大量に入れば、体の自由を奪えるだけではなく、
ひょっとするとそのまま死に至ることもあるだろう。
何にしても、様子を見るに越したことはない。




12:55「アラーム」

「「防音室」で戦闘が開始されました!」
再び、戦闘を告げるアラームが鳴り響いた。



武器となる杖は、木屋町に奪い取られてしまった。
今襲ってこられては、無残な最期を遂げるのが容易に想像できる。
しばらくの間、「大広間」から出ることはできなかった。

「「キッチン」で戦闘が開始されました!」
再び、アラームが鳴り響く。



ワシは警戒しつつも、「防音室」へと歩みを進める。




13:05「痕跡」




ワシはしばらく待ってから、「防音室」を開けた。
すると、ある人物が倒れているのを発見した。

先ほどのあの女性、宝ヶ池奈津である。
どうやら、彼女は気を失っているようだった。
彼女の近くには、ワシの杖も無造作に置かれていた。



念の為、杖の中にある仕込み刀の『霧隠れ』を確認する。
すると、先ほどの戦闘で木屋町の血が付着してはいるものの、
傷ひとつない状態で入っていた。


「よかった。」と思わず声を漏れるが、
口元を押さえ、そのまま『霧隠れ』を杖に元に戻す。

宝ヶ池の両手は血が滲んでおり、服にも血が滲んでいる。
しかし、彼女自身には大きな傷はないようだった。



どうやら、この大量の血は、返り血のようだ。
すると、ワシは、防音室の東側の扉が開いたままになり、
「キッチン」の方へと、血の跡が続いていることに気づいた。



ワシは「キッチン」へと向かい、扉を開く。
すると、そこには首から上が切断された木屋町の姿があった。



右手にはグローブのようなものがつけられており、
そこから血の跡は「大広間」の方へ続いているようだった。
ワシは「大広間」へと向かうこととした。




13:10「殺意」


ワシが「大広間」につくと、そこには異様な光景が広がっていた。

貴船が右手を振り上げて、何度も殴打していたのだ。
貴船が持っているのは、倉庫で見た『ワンショット』。
そして、殴っているのは、木屋町の頭部だった。



華奢な体ではあるが、重量感のあるネイルハンマーを、
右手で持ち上げては、何度も振り下ろしているのだ。
ワシは、思わず息を飲んだ。

「「マーダーゲーム」が終了しました!大広間に集合してください!」



すると、「マーダーゲーム」の終了を告げるアナウンスが鳴り響く。
木屋町が心停止してから、約10分程度が経過したようだ。
貴船は血まみれのまま、席に座る。



ワシは、警戒しつつもその対面に着席した。


遅れて部屋に入ってきたのは、宝ヶ池だった。
彼女は、まずワシを見てから、貴船の姿、
頭部だけになった木屋町の頭部を確認した。


しかし、彼女の顔色は変わることなく、ただ冷静に淡々と椅子に座った。
やはり、一流の殺し屋ということもあり、肝が座っているのだろう。



「今から、「ミステリーゲーム」を開始します!」



再び、アナウンスが鳴り響く。


この奇妙な殺人は、どう解釈したら良いのだろうか。
首の切断を行なったのは誰かわからないが、首を殴打していたのは貴船だ。



そして、問題なのは、ワシも殺した側である可能性があることだ。


ワシのつけた傷自体は致命傷ではないが、
もし刃につけた「テイパー」が致死量に達していれば、
殺したのはワシということにもなり得る。


少量しか用いたことはないので、致死量がどの程度かはわからない。
自分が犯人であるかどうかわからない以上、慎重に動く必要がありそうだ。


さて、この舞台はどのような結末を迎えるのだろうか。
それは、ワシ次第のようだな…



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