あとがき
この度は、「マーダーミステリー ゲーム」をプレイいただき、ありがとうございました。このあとがきでは、この作品への思いについて書かせていただこうと思います。
ゲームのコンセプトですが、「デスゲーム」というテーマの中で「協力」を描きたいというよくわからない出発点から始まりました。今回の宝ヶ池・竹下・貴船の3人は、新興宗教団体「赤の箒」によって人生を狂わされ、そして復讐を試みていました。彼らは知らない間に協力し、そして知らないまま人生を終えようとしていました。
しかし、ガレットの妙案により、今回のデスゲームに巻き込まれることとなります。そして、彼らは互いに殺しあうことも画策しますが、木屋町の打倒を行う中で、陰ながら再び協力しあっていたというシナリオとなっています。また、「油断」が命取りになると知っていながら、全員、結局のところ油断して失敗しています。それは、殺された木屋町も同様です。「マーダーミステリー ゲーム」の参加者は、確かに殺し屋として優秀である一方で、それでも完璧ではないという姿を描こうと思いました。
ガレットについてはプレイヤーの方から、名前呼びや距離感などから、馴れ馴れしくてうざいキャラとのお褒めのお言葉をいただくことが多くあります。ただ、ガレットは宝ヶ池・竹下・貴船のことを名前呼びする一方で、木屋町のことのみを「木屋町ちゃん」と苗字で呼んでいます。ガレットは、あくまで公平にこのゲームを行なっていたと述べています。しかし、宝ヶ池・竹下・貴船のことは彼にとっては他の殺し屋とは違う特別な存在であり、無くすには惜しい存在だと考えていたのかもしれません。
この作品は、短く軽いストーリーにしようと思い執筆していましたが、3人用とは思えないほどの文量と内容になってしまいました。しかし、全体としてのコンセプトや思いは伝えられたのではないかと、個人的には納得しております。
最後になりますが、このシナリオをプレイいただき、本当にありがとうございました。皆様の心に残るシナリオとなれば、幸いです。
いとはき