プロフィール

フォード(9)


あなたは、港町ルーデルからハレル村へとやってきた少年だ。母親のマリーは難病に伏しており、この村にはその病気について研究している科学者がいるという噂を聞いて訪れた。しかし、自分が外部からの侵入者だと判明すれば、拘束されてしまうかもしれない。あなたの何よりの使命は、あなたの母親を助けることだ。



あなたの情報


・あなたは、隣町のルーデルから母親を助けるためにハレル村へとやってきた。そのため、この村に訪れたのは初めてのことである。



・あなたは、「おにさがし 」が開始される前に、チャルドからこの村の人間について簡単に話を聞いている。



・あなたの母親であるマリーは、難病で寝たきりの状態である。病院の医師からその病気の研究をしているというチャルドに向けた紹介状をもらっている。




ハレル村の地図


屋敷のある高台

広場・住宅街




PM 6:00「目覚め」




僕は屋敷の裏で目を覚ました。
どうやら、ゴロゴロと坂を転げ落ちていたみたいだ。



周りは木々に囲まれているけど、
この場所だけは木漏れ日が差し込んでいた。
僕は、近くにあった屋敷の裏口から中に入った。



ドアを静かに閉じ、息を潜めていると、誰かがこちらの方に向かってくる。
僕は思わず、すぐ近くの部屋に入った。



PM 6:20「書庫」


部屋の中は、古い本がいっぱい溢れていた。
部屋は綺麗に整頓されており、誰かが頻繁に入っているようだった。
おそらく、書庫のような場所だ。



僕は、一番奥の本棚の後ろに隠れる。
その時、ゆっくりとドアが開く音がした。
僕は本棚の本と本の隙間から、開いた扉の方を確認する。



「おや、閉め忘れたのか….」



低く小さな声が、室内に響いた。
そこにいたのは、おじいさんだった。
おじいさんは、1冊の手帳のようなものを持って扉の外へと出て行った。



僕は、彼がいなくなったのを確認すると、
書庫を出るために立ち上がる。



科学者のチャルドさんを探さなくちゃ。
僕は、急いで屋敷を出ることにした。



PM 7:00「女の人」




裏口のドアを開けると、そこには僕と同じ泥まみれの女の人がいた。
僕は面倒なことにならないように、その場から逃げるように立ち去った。




屋敷をくだる道は二つあったけど、
「正面階段」は、あまりにも目立ちすぎると思ったから、
「旧道」を下に降りていく事にした。



僕が「旧道」を降りて行こうとしたその時、
下の方から1人の男の人が近づいているのに気づいた。
その男の人は、大きなカバンを手に持っていた。



僕は、すぐ横を通り過ぎる。
男の人は僕の姿を見て、どこか不審に思ったのか足を止めた。
でも、彼はまたすぐに「旧道」を登り始めたんだ。



そのまま道を降りると、より開けた場所へと向かった。
その途中で、もう一人誰か男の人とすれ違ったけど、
あまり顔を見てはいなかった。



PM 7:30「ディーダさん」

この大きく開けた場所は、この村の広場のようだった。
広場には、もう夜だというのに、多くの人が出歩いていた。



僕の目の前には、若い女の人がいた。
その人からは、美味しそうなパンの匂いがした。
僕がチャルドさんの家の場所を聞くと、その人は笑顔で答えてくれた。
名前はディーダさんというらしい。
僕は、彼女にお礼を言って、そのまま住宅街の方へと走った。



PM7:40「留守」

僕は、ディーダ さんに教えられた方向へ進んでいた。
すると、チャルドさんの家らしき建物が見えた。



深呼吸をしてから、ドアをノックする。
しかし、どれだけ待ってもチャルドさんは出てこない。
待ちぼうけしていると、赤いスカーフをした犬が近づいてきた。



犬は、僕の方に近づいて立ち止まる。
僕が頭を撫でようとした時、背後から声がした。



「私はエリザ、村長ロージュ様の側近だ。
 この村ではあまり見ない顔だが、チャルドに何か用事か?」



僕の後ろには、背の高い女の人が立っていた。
その声は、とても冷たい印象を受けた。
僕はとっさに広場の方へ逃げてしまった。



「おい、待て!」



エリザさんは、僕を追いかけてきた。
それに、さっきの犬も僕を追ってきたんだ。



PM7:50「広場」


広場に出ると、そこにはディーダさんがいた。
僕を追うエリザさんはディーダさんに気づくと、なぜか動きを止めた。
僕は、その間に「正面階段」を上がる。



犬は、僕の後ろについてきていたけど、いつの間にかいなくなっていた。



PM 8:10「屋敷」



正面の階段を登り、屋敷に到着する。
しかし、後ろからは、階段を登ってくる音が聞こえた。
僕は、咄嗟に祠のような建物の裏に隠れることにした。



誰かが、こちらに近づいているようだったから息を潜めたけど、
僕が隠れている祠の後ろまで確認することはなかった。



しばらくして、屋敷の前で男の人と女の人が会話をする声がした。
女の人の声から、僕を追いかけてきた人だと分かる。



話の内容はわからなかったけど、
彼らは、お互いのことを「レイド様」「エリザ」と呼んでいた。
エリザというのは、僕を追っていた女の人だ。



その話が終わると、どちらかが階段を降りていったようだった。



PM8:20「物音」





それからすぐのことだ、誰かがこの祠に近づいてきた。
僕は、その場から動けずにいた。



しばらくすると、2つの音が自由の祠の中からした。
一つは、何かがパリンと割れる音。
もう一つは、何か大きなものが倒れる音だ。



少し待つと、祠の中は静かになったので、僕はその場から離れた。
気づくと、窓が開けっ放しになっている部屋があった。



PM 8:30「執務室」



屋敷はとても静かだったから、身を隠すために開いた窓から中に入る。
ここは、どうやら執務室のようだった。
机の上には、鍵と手紙が置かれていた。




PM8:50「鍵」



謎の人物は、書庫の扉をこじ開けようとしているようだった。
僕は、怖くなって後ろに下がった。
すると、執務室の前を誰かが通りかかったような気がした。



その時、僕の体は机にぶつかってしまう。



すると、机の上にあった鍵と手紙が、床へと落ちる。
謎の人物はその物音に驚き、慌てて逃げ出した。





PM9:00「爆発音」

後ろの窓から外を見ると、小雨が降り出していた。
なぜか、祠のような場所からは、甘い匂いが漂ってきた。




僕は、書庫の方へと向かう。
扉にはこじ開けられた形跡があり、鍵がかかっていた。
また、血液のようなものも付着していた。



僕は、先ほどの部屋に戻って落ちていた鍵を拾い、鍵穴に差し込む。
すると、がちゃりと音を立ててその扉は開いた。




扉が開いたとき、
先ほど裏口から出た謎の人物が、執務室の窓の前を走りながら通り過ぎた。
外は、暗くて姿はわからなかった。


その時、山の方から何かが爆発するような音がした。
僕は怖くなって、書庫に駆け込んだ。


PM9:10「銃」



書庫の机の上には、先ほどは無い物が2つ置かれていた。



1つは、小瓶のようなものだ。
粉末が入った小瓶が2つあり、それぞれ中から粉末が取り出されていた。
粉末は3つあったけど、小瓶は2つしかなかった。



もう1つは、昔よく遊んでいたおもちゃによく似ていた。
僕は、それを手に取った。



PM9:30「誤射」





ズドンという大きな音とともに、弾丸が本棚の側面へと発射される。
おもちゃではなく、本物の銃だ。
あまりに強い衝撃で、僕は後ろに倒れてしまう。



すると、音を聞きつけたのか、
誰かが裏口からこちらへと走ってくる音がした。




PM9:40「足音」



足音の主は、こちらの部屋の中に入る。
そして、僕が床に落とした銃を手に取ると、どこかへと行ってしまった。

しばらく、恐怖でこの部屋の中から動けなかった。
しかし、立ち上がって周りを見渡してみると、そこには誰もいなかった。



そして僕は、近くに紙と万年筆があることに気づいた。
この村で僕を助けてくれる人はいない。
誰か外の人に、手伝ってもらわないと。



そう考えて、僕は手紙を書くことにした。
だけど、手紙をこの村の外に届ける手段がないことに気がついた。
僕は、とりあえず書いた手紙を懐にしまった。



屋敷に人がいる気配がなくなったので、
チャルドさんにもう一度会いに行くことにした。
先ほどまでいた執務室の方を見ると、落ちていたはずの手紙がなくなっていた。



僕は書庫の扉にもう一度鍵をかけ、
屋敷の正面玄関から出て、「正面階段」を下ることにした。



外は、土砂降りの雨だった。


PM10:00「手紙の行方」



僕は、書庫の扉を開け、
正面玄関の方から出て、こっそりとその場を離れた。
すると、大きな影が僕の眼の前に現れる。



「バウ!」



僕は、驚いて声が出そうになった。
そこにいたのは、さっきの犬だったんだ。



この犬は、こちらを見ると、先ほど僕が書いた手紙に興味を示した。
そして、その手紙を僕の手から引き離し、口にくわえてしまった。



「ちょっと待って!それは大事な手紙なんだ!」



僕はそう言ったけど、犬は信じられないほどの勢いで、
ヒグレ山の方へ走っていってしまった。
ひとりぼっちになった僕は、「正面階段」から再び広場へと降りた。
チャルドさんの家にもう一度行かなくちゃ。




PM10:10「銃声」



チャルドさんの家に向かう途中で、屋敷の方から銃声が聞こえた。
なんだか怖くなって、僕は振り返らずにそのまま階段を降りた。



PM11:00「チャルドさん」



チャルドさんの家には、先ほどにはなかった明かりがあった。
ドアを開けると、先ほど「旧道」ですれ違った男の人がそこにいた。



「あなたが….チャルドさんですか?」



僕は、チャルドさんを見て、思わず笑顔がこぼれてしまった。



「ああ、私がチャルドだ。君の名前は?」



チャルドさんは、少しこちらを怪しんでいた。
こんな夜中に家に来たから、当たり前なのかもしれない。



「僕の名前は、フォードです!
  チャルドさんにずっと会いたかったんだ….!」



僕がそういうと、チャルドさんは腕を組んで悩むそぶりをした。



「すまないが、もう夜も遅い。
 用件があるのならば、明日にしてくれ。
 きっと、両親も心配なさっていることだろう。」



チャルドさんは、僕を諭すようにいう。
僕、思わず涙目になってしまう。



「お願い、お母さんを助けて!」



それは、僕の心からの叫びだった。
お母さんを助けることができるのは、目の前のこの人しかいない。



「君のお母さんが?
 この村に、重病の患者などいなかったと思ったが….
 彼女の名前はなんというんだ?」



僕が必死なのが伝わったのか、
チャルドさんは少し考え直してくれたようだ。



「お母さんの名前はマリー。
 妹の名前は、ゲルダっていうんだ。」



僕はそのまま、チャルドさんの目を見て続ける。



「僕は、この村の外から来たんだ。チャルドさんに会うために。」



先ほど、僕はエリザさんに追われている。
この秘密がバレたら、僕は捕まっちゃうかもしれない。
けれども、少なくともチャルドさんには、
この事実を打ち明けなきゃダメだって思ったんだ。



その時、誰かがこちらへと歩いてくる。
僕達は、とっさに、そちらを見た。



「チャルド、お前に話さなければならないことがある。」



僕にとっては、初めて見る男の人だった。
けれど、さっき屋敷でエリザさんと話していた声だ。
名前は、確かレイドさんだったかな。
彼の声は、どこか震えているようにも聞こえた。




深夜「レイドさん 」


チャルドさんの家の時計を見ると、既に12時を過ぎたところだった。



「先ほど、この村の村長であり、
 俺の父親であるロージュが殺害された。
 チャルド、お前は「おにさがし」の参加者に選ばれた。」



「ロージュが殺された….私が参加者….?」



内容はよく分からないけど、
何か大変そうなことが起こっているのは分かった。



「あとで屋敷の方へ来てもらう。
「おにさがし」は、今日の6時より開始する。」



「承知した。」



僕は、その男の人に見つからないよう、チャルドさんの後ろに隠れる。
しかし、彼は僕の方へと視線を向けた。



「チャルド、お前の後ろにいる子供は誰だ?」



レイドさんは、ゆっくりとこちらに近づく。



「ああ、先ほど私を訪ねてきたフォードという少年だ。」



チャルドさんは、淡々と答える。
僕はレイドさんに名前が知られてしまい、内心焦っていた。



レイドさんは、僕の顔をまじまじと見る。
その、目つきは段々と鋭くなっていった。



「この少年フォードは、おそらくエリザの言っていた侵入者だ。
 こいつも「おにさがし 」の参加者になるだろう。
 今から、屋敷へと連れて行くこととしよう。」



レイドさんはそう言って、僕の手を引っ張る。
嫌だ!!!ここで捕まったら、お母さんが!!!!!
僕は必死に抵抗し、助けを求める目をチャルドさんに向ける。



すると、チャルドさんは、大きなため息をついた。



「レイド、その少年は私の客人のようだ。
「おにさがし 」には、私が同伴して連れて行こう。」



チャルドさんがそう僕に助けを差し伸べると、
レイドさんは不機嫌そうに「分かった。」と呟き、屋敷へと戻った。



チャルドさんはレイドさんがいなくなると、僕を家へといれてくれた。
しばらくすると、チャルドさんは僕に切り出した。



「レイドは、お前のことを「侵入者」だと言っていた。
 それは、事実なのか?」



僕は、チャルドさんの質問を遮って答えた。



「本当だよ….僕はルーデルから来たんだ。
 そうだ、チャルドさんに渡すものがあったんだ。」



僕はそういうと、カバンから手紙を取り出そうとした。
しかし、中にあるはずの手紙はなかった。
おそらく、どこかに落としてしまったのだろう。


僕は探しに行こうと思ったけど、疲れからか眠たくなってしまった。
チャルドさんがベッドを貸してくれたので、僕は横たわった。
次第に瞼が重くなり、気づけば僕は寝てしまっていた。

朝:「おにさがし」


目を覚ました時、チャルドさんはまだ寝ていた。
僕は、落とした手紙を探すために、屋敷へと向かうことにした。



すると、屋敷の隣にあった家の後ろに、木漏れ日がさす場所があった。
そこには、誰かが何かを埋めた後のようなものがあった。



もしかしたら、僕が落とした手紙かもしれない。
そう思ってその地面を掘り返してみた。
すると、そこにあったのは血のついたナイフだった。
その時、背後からチャルドさんに声をかけられた。



僕は、慌ててそのナイフをカバンにしまってしまった。



何でこんな物を埋めてあるんだろう。
それに、これは誰の血なんだろう。
僕は怯えながら、チャルドさんと屋敷へ向かった。



チャルドさんは、僕に簡単に他の参加者についての情報を教えてくれた。



僕たちが会議室に入ると、レイドさんは話し始めた。



「よし、全員揃ったな。
 アッシュ、バーニー、チャルド、ディーダ 、エリザ、そして…フォード。
 この6人と、進行役の俺とで「おにさがし」を行う。」



レイドさんによると、参加者はここに集まった人間全員だということだ。
「おにさがし」が何かは分からないけど、犯人を探す会議のようなものらしい。



みんなには協力したいけど、
僕にとっては、犯人探しよりもお母さんの命の方が大事だ。
何とかして、ここを切り抜けてチャルドさんとルーデルに戻らないと….



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