獣人族の王、ヴァル・ドレッドは、
生まれて初めて恐怖で体が震えていた。
彼は力に頼り、力を求め続けていた。
だからこそ、エイダに溢れる力が、
圧倒的でとてつもなく強大な力であると分かるのだ。
しかし、彼は、ある決断をした。
「人間の王、エイダよ。
まだ、お前には、直接言ってはいなかったな。」
そう言うと、ヴァルは、
異形となった彼の目を真っ直ぐに見つめる。
「これが、俺の答えだ。」
彼は、そう言うと、一瞬の不意をつき、
床にある「王家の短刀」をエイダに向かって投げつけた。
しかし、その短刀は体をすり抜け、そのまま壁へと当たる。
エイダは、ヴァルに向かって激昂した。
ワシを、殺せるとでも思ったか。
そんな刀など、効きはしない。
さあ、ワシの名前と姿を、
お前達の脳に刻みつけるのだ。
ワシは、エイダ。
この大陸の支配者となる魔王だ。
推理について
この時間が過ぎれば、
エイダは、この魔法陣を破り外に出て行くでしょう。
そうなれば、この大陸は、終末を迎えることとなります。
あなた方には、異形の姿となった人間の王、
エイダを消滅させるための方法を、推理してもらいます。
制限時間は、ヴァルの行動により、15分に延長されました。
以下の資料、能力、証拠品をもとに、
15分後に使用する「能力、または、証拠品1つ」を議論してください。
議論がまとまり、時間を短縮したい場合、次の画面に行って構いません。
また、議論では、第一幕でのメインミッションやサブミッションは、
すべて解除されることとなります。
それでは、現時点より、
制限時間のカウントを開始してください。
エイダの姿
・宙に浮いており、エイダの姿をしているものの、
全身が何やら黒い霧のようなものに覆われているように見える。
もはや、人間でも亜人でもない何かである。
・エイダの全身からは、非常に強い魔力を感じる。
新たな資料
玉座の下にあった通路で、3つの新たな文献を発見した。
「エイダのメモ」〜「悪魔」との契約について〜
どうやら、エイダの手で書かれたもののようだ。
悪魔の能力は、契約者が殺害されることで発動するようだ。
契約者は死後、悪魔の力を借りて転生するというらしい。
ヴァルやドラゴは、ワシをきっと殺して止めようとするはずだ。
奴らの感情を、利用することとしよう。
しかし、最も厄介なのは、「あの力」を使われることだ。
まあ、今のままであれば問題はなかろう。
研究報告書:
文書には、大量の黒い血の跡が付着している。
どうやら、執筆後に自ら命を絶ったようだ。
2386年3月
***の実験は失敗に終わる
定着後:
魔法防壁による防御が成功する。
10分後:
魔法防壁が破壊される。
***は研究所を破壊し、市街へと進んだ。
20分後:
市街に出ると***の風貌は変化する。
***を知るものが増えると、***の力は強大となっていく。
市街は、火の海となった。
30分後:
報道機関や電子機器通信を通じ、***の存在が広まる。
すると、***の力はますます強大となった。
人間国の壊滅を契機に「魔法爆弾」の投下が許可される。
ある研究者の手記:A
私は、とんでもないものを生み出してしまった。
あれは、まさしく「悪魔」の姿だ。
黒い靄は、魔法防壁となっており、もはや魔法は効かない。
それなのに、我らの王は、
この国を滅ぼしかねない「魔法爆弾」を投下しようとしている。
そんなもの、***に効くはずはない。
ある研究者の手記:B
やはり、魔法爆弾は、***の身体をすり抜けた。
それどころか、この国の首都も人間達も滅びてしまったのだ。
***と戦うのは、もはや私だけだ。
この大陸は、もはや終わりだと思ったが、
***の力は、明らかに弱まっていった。
私は、あることに気づき、自ら命を絶つことを決めた。
証拠品・能力
「水鏡」
対象者の容姿に成り替わることができる能力である。
人間や亜人に対して使用が可能であり、
対象者の衣服や体組成まで、完全に再現することができる。
使用方法は、対象者に対して魔法を詠唱し、
再度変身時に魔法を詠唱するというものである。
「メモリーアウト」
対象者の記憶を消去することができる能力である。
使いこなすことさえできれば、
特定の対象の特定の記憶のみを消すことができる。
詠唱範囲は、最大で人間国全土に及ぶであろう。
「フレアブレス」:
全てを燃やし尽くすこともできる灼熱の炎の吐息である。
王族のレベルであれば、
1つの国を滅ぼすこともできるであろう。
「王家の短刀」:
悪魔を払うという言い伝えもあるローデン家に伝わる短刀である。