エンディング①〜「エイダ」〜
リリーは「メモリーアウト」を唱えた。
忘れる記憶は「エイダ」。
その対象は「人間の国全体」である。
すると、少しずつ人々の記憶から、
エイダという存在が消え去っていく。
まるで、物語の初めから、
善王のエイダも、悪王のエイダもいなかったかのように。
気がつくと、5人の王は「玉座の間」で立ち竦んでいた。
何か、大切なことを忘れてしまっているような気がするが、何も思い出せない。
しかし、何か大きな存在と戦っていた記憶は、共有していた。
そして、結束を誓い合ったことも覚えている。
スタン王子は、リスピア大陸の今後について話を進めた。
まるで、誰かの意志を継いでいるかのように。
そして、前の人間の王は誰だったのか。
そこに意識さえ、向かなくなってしまった。
エイダとは、何者だったのだろうか。
彼は、なぜ変わってしまったのか。
全ては謎に包まれ、
そしてその謎も消えてしまったのだった。
おわり….?
あー…..
よう、神様達よ。
俺様の声は聞こえるか?
アイツは目的を達成したよ。
もちろん、アイツとの約束通り、
あの王様達には伝えないでおくさ。
これはあんた達への独り言だと思って聞いてくれ。
少し、細工をさせてもらったぜ。
もし、俺様に付き合ってくれるのなら、
どうか、アイツの記憶を見てくれよ。
今なら、アイツを「選択」できるはずだ。